しかし、税務署はその道のプロです。「生活費にしては多すぎる」と感じたら、その点について徹底的に追及してきます。

 税務調査では亡くなった方の預金通帳だけでなく、相続人の預金通帳もチェックされます。相続発生後に、故人が積み立てたタンス預金を「いつまでもタンスの中だと危ないから」と、自分の通帳に移し、その履歴からタンス預金が発覚することもあります。

 相続人の通帳は、相続が発生する前の動きだけでなく、相続発生後から税務調査が実施されるまでの期間の動きも確認されます。降って湧いた入金があれば、徹底的に追及されるのです。

 税務調査では、通帳等を保管している引き出しの中、家の金庫の中、銀行の貸金庫の中は必ずチェックされますが、家宅捜索のように、家の隅から隅までチェックされることはありません。

 ただ、「この納税者は何か隠している」と判断されれば、話は別です。現に、台所下の収納スペースや、ガレージのタイヤの中、畳の下などに多額の現金を隠していたことが発覚したケースもたくさんあります。